脾臓の役割と健康維持の方法

2月 16, 2025

脾臓は、胃の左側に位置する臓器で、栄養分の運搬と吸収を担っています。東洋医学では、脾臓の機能は「運化」と呼ばれ、「運」は運搬・輸送、「化」は消化・吸収を意味します。胃は食道と小腸をつなぐ中空器官で、口から食道を通過した食物は胃に運ばれます。脾臓は胃と連携して、食物の消化吸収と栄養分の運搬という重要な役割を果たします。

呼吸器、消化器、循環器など、体の各器官の機能は、単一の臓腑にのみ依存するものではありません。すべての臓腑が相互に作用し、それぞれの機能を果たすことで、全身の調和が保たれています。消化機能においては、胃が食物を砕き、脾臓がそれを吸収・運搬するという協調作用が不可欠です。

脾臓の機能

消化吸収と水分の代謝を司る

脾臓は、食物の消化吸収、栄養分の代謝、老廃物の排泄において重要な役割を担っています。このプロセスは「運化」と呼ばれます。また、脾臓は体内の水分の代謝を調節し、水分の停滞を防ぎ、むくみなどの水滞に関連する症状を防ぎます。

血液の統制

脾臓は血液の管理と制御、つまり「統血」を行います。食物の運化は気血の源であり、脾臓は気血を生み出すだけでなく、統血作用も持ちます。脾気が健全であれば、気血は脈管内をスムーズに流れ、全身を栄養しますが、脾気が虚弱になると統血作用が低下し、出血傾向(血便、不正出血など)が現れることがあります。

筋肉と四肢を司る

脾臓は、食物から得た栄養分を筋肉に送り、栄養を供給します。脾気が充実していれば、筋肉は強靭になり、四肢は活発に動きます。逆に、脾気が衰えると筋肉の張力が低下し、四肢の倦怠感や脱力感、さらには胃下垂、子宮脱、直腸脱などの脱症を引き起こす可能性があります。

口と唇に影響を与える

口は食物の摂取と味覚をつかさどる器官であり、脾臓の健康状態を反映します。脾臓が健全であれば食欲旺盛で、食事が美味しく感じられますが、脾虚の場合は味が薄く感じられ、食欲不振になります。また、脾臓は筋肉を司り、口に開竅するため、唇の色つやにも影響を与えます。脾気が充実していれば唇は健康的な紅色になりますが、脾虚の場合は唇の色が薄く、青白くなります。

肺を生成し、腎を抑制し、胃と表裏の関係を持つ

脾臓と胃は互いに協力して消化吸収を行い、栄養分を全身に運びます。東洋医学の五行説では、脾臓は土に属し、金に属する肺を生成します。また、土に属する脾臓は、水に属する腎を抑制します。さらに、脾臓と胃は表裏の関係にあり、機能と病理において密接な関係にあります。

脾臓の健康状態を知るには?

唇、鼻、目、耳など、体の各器官に現れる兆候は、脾臓の健康状態を示唆する手がかりとなります。これらの兆候を観察することで、脾臓の健康状態をある程度把握することができます。

脾臓の健康を保つ方法

食事療法、ツボマッサージ、薬草など、脾臓の健康を維持するための方法は様々です。

トネリコの葉で脾臓を温める

トネリコの葉は、脾臓を温め、三焦(さんしょう:体内の水分の通路)を調整し、老廃物を排出する効果があるとされています。

公孫(こうそん)穴を押す

公孫穴は、足の内側、くるぶしの後方約5cmに位置するツボです。このツボをマッサージすることで、脾臓や胃の不調に効果があるとされています。

山芋で脾胃を補う

山芋は、健康維持や美容に効果的な食材です。脾胃を補い、消化機能を高める作用があります。

酒粕を食べる

酒粕は、脾胃を穏やかにし、その甘みは食欲を増進させる効果があります。

トウモロコシと松の実の炒め物

トウモロコシと松の実の炒め物は、脾臓を補い、食欲を増進させる効果があります。

ナツメとヤマイモのお粥

ナツメとヤマイモはどちらも脾臓に良い食材であり、脾胃を補い、消化を助けます。

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